MVNOとは、自社でアンテナや基地局、全国の回線網を持たず、3大キャリア(ドコモ・ソフトバンク・au)の通信回線を借りてサービスを提供している事業者のこと。
略さずに読むと「Mobile Virtual Network Operator」で、「仮想移動体通信事業者」と訳される。
MVNOとは格安SIMを提供している通信業者
MVNOのサービスは、通信回線を借りて行われているため、自社基地局のメンテや増設作業に時間とコストをかける必要がなく、大手通信会社のドコモ・ソフトバンク・auよりも割安なサービスが提供できる。
MVNOの通信サービスは、携帯端末に差し込むSIMカードとそれに対応したSIMフリー端末で成り立っている。
昨今CMでよく見る「UQモバイル」や「mineo」といったMVNOは、このSIMカードとSIMフリー端末をセット、或いは単品で購入することができるモバイル通信サービスを提供している。
MVNOを利用するメリットとして
・契約縛りがなくスグに変更できる
・自分の使う分だけカスタマイズしやすい
などが挙げられ、利用者の通信料金を低コスト化することを実現したことにより、「格安スマホ」「格安SIM」と呼ばれ世間に広まった。
MVNOとMNOの違い
MNOは「Mobile Network Operator」の略でドコモやau、ソフトバンクといった大手3大キャリアの事を指す。
自社契約のほかに、MVNO(格安SIM業者)にも回線を貸し出している。
ここ最近では、楽天が自社通信網によるサービスを開始し「第4のキャリア」となった。au回線を借りつつも、楽天回線エリア内で4G及び5Gが利用できる「Rakuten UN-LIMIT V」を提供中だ。
大手キャリアと格安SIMの速度の違い
大手キャリア(MVO)と格安SIM(MVNO)の大きな違いが速度。格安SIMは回線を借りているので、どうしてもキャリアと比べてやや低速になる。
ただ、依然と比べ速度は安定しているので、日常生活では十分に使えるから安心して欲しい。
ほかには無料通話プランに違いがある。
格安SIMの場合、かけ放題の時間は5分~10分が殆どで無制限は少ない。
通話メインで利用したいと考えている方は事前にチェックしよう。
速度が遅くなりやすい時間帯は?
サラリーマンの出退勤時間、ランチタイムは遅くなる傾向があります。
電話回線を経由したネット接続は、アクセスが集中すると速度が遅くなりやすい。
特に格安SIMはその影響がハッキリ出やすく、電車の中で一斉にスマホにアクセスする出勤時間や12時台のランチタイム、帰宅後の18~22時台は深夜に比べて低速になりがち。
言い換えると、このアクセスが集中する時間帯に高速通信が可能な格安SIMは優秀であるといえる。
キャリアから乗り換えるなら同じ回線使用のMVNOを選ぼう
MVNOは回線のレンタル先によってドコモ系・ソフトバンク系・au系の3つに分けられる。
基本的にドコモユーザーがドコモ系の格安SIMに乗り換える場合SIMロックの解除は不要。
また、MNOのキャリア携帯からMVNOの格安スマホに乗り換える場合は音声通話付プランを選択すればよい。
回線 | 対応する主な格安SIM/スマホ |
ドコモ | イオンモバイル、IIjimo、DMM mobile、 LINEモバイル、BIGLOBEモバイル、 OCNモバイルONEなど |
au | UQ mobile、mineo、楽天モバイル、IIjimo、BIGLOBEモバイルなど |
ソフトバンク | Y!モバイル、QT mobile、U-mobile、mineoなど |
MVNOの回線元はドコモ系が圧倒的に多い。
ちなみに、Y!mobileは公式ではソフトバンク回線とされているが、実際は独立回線。ソフトバンク端末はSIMロック解除が必要だ。
自分の通信端末で格安SIMが使えないケースがある?
キャリアからMVNOに乗り換える場合、同じ回線を使っているMVNOに乗り換える事をオススメするもう一つの理由がある。
それがSIMと端末の利用周波数だ。
総務省が割り当てている周波数はキャリアによって異なる。従って通信端末を正常に使用するためには、端末とSIMの周波数が一致している必要がある。
たとえばauの端末を利用している場合は、au回線に対応したMVNOを選ぶ必要がある。
周波数帯 | 700MHz | 800MHz | 900MHz | 1.5GHz | 1.7GHz | 3.5GHz | ||
Band | 28 | 18/26 | 6/19 | 8 | 11 | 21 | 3 | 42 |
ドコモ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
au | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
ソフトバンク | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
上表は3大キャリアの対応周波数表。
スマホがどの周波数帯に対応するかによって、使える格安SIMも決まってしまう。
地方エリアでもMVNO(格安SIM)の電波は大丈夫?
MVNOが提供する格安SIMは3キャリアいずれかの回線をレンタルしているため、通話状況に変わりはない。
ただし、MVNOによっては対応する周波数によって電波をキャッチしにくい場合がある。
MVNOで5Gは使える?
5Gは4G(LTE)の後継とされている次世代のモバイル通信方式。
MVO(大手3大キャリア)では2020年から提供開始予定だが、格安SIMについてはまだ殆どのところが発表されていない。
近況では、楽天モバイルが5G通信サービスを開始したが、エリアは限定的である。
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